IATの結果に対する理解と解釈

IATの結果に対する理解と解釈

IATは研究目的のために開発されたものですが、実験室以外での汎用性も有しています。われわれの目的は、ウエブサイト上でIATのデモンストレーションができるようになることで、この技法を教育的な目的(自己学習による教育も含みます)に利用できるものにすることです。IATを通して、あなたが自分自身では制御できないような自動的連合があることに気づいたとしたら、このテストはとても興味深いものとなるでしょう。例えば、女性と男性は同等に「科学」と結びつけられるはずだとあなたが考えていたとしてもあなた自身の自動的連合は、あなたは(他の多くの人と同様に)男性と科学とを(女性と科学とよりも)結びつけているということを示すかもしれません。

非意識的な思考や感情がもつ意味を考えるうえで、これらの様々なテストの経験をどのように用いることができるでしょうか? 年齢IATを受けた後に考えをめぐらすいくつかの質問についてここで紹介しましょう。「老人不快との間での自動的連合を示したことは何を意味するのですか? この知識の源泉は何なのでしょうか? そのような連合を有しているという事実に、われわれは当惑すべきなのでしょうか? われわれがそのような自動的連合をもっているのならば(そして実際、そうなのですが)、そのことに対して何をなすことができるのでしょうか?」これらの質問については、よくある質問への回答として、後に取り上げられます。

あなた自身や他者について何らかの判断を下すうえで、IATを用いることにはわれわれは警告を発します。例えば、あなた自身に関する事柄(例えば、何を購入すべきか、どこの学校に行くべきか、などです)に決定を下すさいにこのテストを用いうるのではないかとお考えになるかもしれません。仮にあなたが女性で(他の大多数の男女と同じように)男性科学との間により強固な連合を示したとして、あなたは科学の領域におけるキャリアをあきらめるという決断をすべきでしょうか。われわれの意見は、絶対に「ノー」です。このテストの結果は、広範に流布しているジェンダー・ステレオタイプに気づいてもらうこと、ならびに、非常に多くの人々が(そしておそらくはあなた自身も)科学男性とを自動的に結びつけている社会の中で、女性が科学の領域におけるキャリアを追求することが何を意味しているのかを問いかけているのです。

他者についての何らかの判断を下すさいに、このテストを用いることができる(あるいは、用いるべき)でしょうか? 例えば、ある人の自動的な人種的選好を測定するためにこのテストを使用して、陪審員を務めるべきかどうかの決定を下すのに利用することができるのでしょうか? われわれは、IATはそのようなことに使用されるべきではないと主張します。特に、IATが発展を続けているこの初期の段階においては、主として自分自身および他者の自動的選好やステレオタイプについての自覚を促進するためにIATを用いることこそが極めて望ましい使い方です。自己と他者に関する重要な判断を下すための根拠としてIATを用いることは、望ましくないとともに不当な結論を導くことになるでしょう。

このテストを経験することによってあなたが何かしらの価値を見出して下さったものと期待しています。今後に目を向けてみましょう。われわれは今後も定期的にIATを改訂していきますので、あなたもまた、このサイトで実際に試していただければと思います。また、思考や感情の非意識的で自動的な根源について、心理学的な理解が進みましたら、そうした情報についてもこのサイト上で更新をしていく予定です。

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