倫理的問題

倫理的問題

既にお気づきのとおり,IATは「人間の後天的な要素」の中で問題のある側面を明らかにする可能性があります。それゆえIATは誤用される場合があります。研究上IATをご活用される場合は、ここで述べるような関連事項が,研究計画を展開していく中で、研究実施機関における倫理基準とあわせて考慮に入れられることになると思います。

IATは研究利用のために開発されたものですが、実験室以外の場での活用の可能性も十分にあります。実験室の外で使用される場合(そしてそれゆえに、研究機関において現在設定されている倫理規定の範囲を超えて使用される場合)には、以下のような誤った活用がなされることがありえます。第一に、人々は自分自身についての意志決定をするさいにIATを用いうるでしょう。何を買うべきか、どの学校に行くべきかなどです。これらは、少なくとも表面的には、許容可能なようにも思われます。お茶の茶葉の品定めをするかのように、A社, B社, C社で働こうか、あるいはX社, Y社, Z社で働こうかという判断をおこなって、自分が望む道を決定することに活用できるかもしれません。第二に、人々は人物判断を目的としてIATを使用する可能性があるでしょう。例えば、一定程度以上の自動的な人種的選好を示す人は、人種に関わるデリケートな状況での意志決定に参加することができないことを示す目的でIATが活用されることがあるかもしれません。第三に、人々は他者に対する好き・嫌いを調べるために使用され、その過程でその人たちに害悪が及ぶことになるような使用法もありうるかもしれません。しかしIAT Corp.は、これまでIATの開発に携わってきた研究者たちとともに、これらの活用法については強い警告を発します。

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